和菓子だより

2020.02.28

三代歌川豊国「三ツ會姫ひゐな遊ひノ圖」文久元年(1861) 

菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。

三代歌川豊国による、江戸時代の雛祭りの様子を描いた3枚組の錦絵です。女子の健やかな成長を願う、にぎやかなお祝いの様子が伝わってきます。

右の雛段に注目してみましょう。白緑五段重ねの菱餅が飾られています。もともと、33日は厄除けを行う日で、強い香りが邪気を祓うとして、草餅を食べる風習がありました※。かつては菱餅も、草餅を使った緑白の2色が基本で、桃色が加わった3色の菱餅が広まるのは明治以降のこととされます。

※平安時代の頃から、母子草(ははこぐさ・春の七草のゴギョウ)で作る草餅を食べる風習があった。のちに母と子を搗く、という連想から好まれなくなり、蓬を使うことが多くなった。