和菓子だより

2020.06.03

おうちで読書  英語で読む菓子の百科事典

和菓子はもちろん、世界各地の菓子に興味をもっていらっしゃる方におすすめしたい英語の本があります。それは、イギリスのオックスフォード大学出版局による『SUGAR AND SWEETS』。

aの「アラモード」(菓子や果物の上にアイスクリームをのせたもの)にはじまって、zの「ズッパ・イングレーゼ」(イタリア菓子)まで、アルファベット順に歴史や魅力、素材や製法などを解説した、まさにお菓子の百科事典です。寄稿者は歴史家、菓子職人、科学者など、265人もの専門家で、カラーを含めて約160の図版があり、頁をめくるだけでもわくわくします。大きさ縦 26.0 × 横 18.7cm 、920頁と聞けば、その充実度が想像できることでしょう。何よりも「Japan」や「Kyoto wagashi」「dango」「mochi」「manjû」の項目があるのは嬉しいこと。   

Japan」では、外来の唐菓子や点心、南蛮菓子も含めて、4頁半にわたり、日本の菓子の歴史や特徴、現状 について語られています。和菓子関係の執筆者は、日本の食文化についての著作も多いカンザス大学の教授、Eric C.Rath氏で、赤井達郎著『和菓子の文化誌』(河原書店)ほか和菓子や日本の食物史の本を参考文献にあげています。

wagashi」では、「手作りの和菓子の芸術性は、ファベルジェやティファニーの宝石の美しさや技にも匹敵する」といったコメントも。日本には、京都の俵屋吉富と東京の虎屋に菓子のミュージアムがあることも書かれています(正確にいうと、虎屋文庫は菓子の資料室ですが、ありがたい限りです)。

なお、この本を参考文献としてあげている本に、Laura Mason著『キャンディと砂糖菓子の歴史物語』(原書房)があり、日本の干菓子や飴、餡についても少々説明されています。外国にも和菓子に注目している研究者がいるのですね。今後の展開が楽しみです。