三代歌川豊国「江戸名所百人美女 長命寺」安政4年(1857)

2025.02.28

菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。

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三代歌川豊国による、「江戸名所百人美女」というシリーズのうちのひとつです。
前掛けをした女性が、お盆と竹籠を持っていますね。一見お菓子はないように思われますが、実は竹籠の中に桜餅が入っているのです。
よく見ると床几(しょうぎ)の上の木箱に「桜」の文字、 左上のコマ絵※にも「桜もち」の幟旗が描かれていることがわかります。
隅田川名物と謳われた桜餅は、向島にある長命寺の門番が、隅田川沿いに植えられた桜の葉を利用し、売り出したことに始まるともいわれます。桜の名所ということもあり、文化文政期(1804~30)には大変流行したそうです。
作品からは、茶店で桜餅を求め、桜並木と隅田川の景色を楽しむ……、そんな当時の人々の姿が想像されますね。

※主題の補足となる小さな絵のこと。画面の右上や左上の隅に枠に囲まれて描かれることが多い。

二代 歌川国久による左上のコマ絵

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