和菓子だより

2021.04.05

魅力を探る 羊羹製「卯の花巻」

羊羹製「卯の花巻」  2021年4月1日〜15日

「卯の花巻(うのはなまき)」の、卯の花とはウツギのことで、旧暦4月(卯月)頃に咲くことから「卯月の花」とも呼ばれています。

くるみを中心に白と緑の羊羹製※1生地をうず状に巻き、小口切りにした菓子で、卯の花の白い小花が咲く野山に、鳥が飛んでいる様子を思わせます。

虎屋の羊羹製の多くは、中に餡を入れ木型で花などをかたどったものですが、「卯の花巻」のように餡を入れず、うず状にした「巻物(まきもの)」は、羊羹製そのものの食感と深みある味わいがより楽しめます。

「巻物」は、2色や3色の色合いで梅や菊を表現することもあり、「かさねの色目※2にも通じます。

 

巻物の例 (左:「巻紅梅」右:「千代の菊」)
大正7年(1918)『数物御菓子見本帖』より

※1「こなし」とも呼ばれている。餡に小麦粉・寒梅粉を混ぜて蒸し、揉み込んだ生地のこと。

※2平安貴族社会の衣装などに見られる雅びな色づかいのこと。