和菓子だより

2021.04.27

鐶虎紋青貝井籠外箱 延宝2年(1674)

菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。

39.0×35.3×52.5(cm)
鐶虎が確認できる史料としても最古である。

江戸時代、お客様のもとへ菓子を届ける際には、井籠(せいろう)に詰め、外箱に入れ、紐を掛けて天秤棒などに吊るして運びました(下図)。
画像の外箱は、底板裏に「一条虎屋 延宝二年寅 近江大掾」とあり、虎屋所蔵の年紀のある外箱としては最も古いものです。上部と側面には、青貝を使用した螺鈿(らでん)細工で、虎の字を「鐶」(かん)で囲った「鐶虎(かんとら)」紋が入れられています。現在も包装紙やパッケージほかに使用されている鐶虎紋ですが、江戸時代のお客様も、虎屋の目印としてくださっていたことでしょう。

※箪笥の取っ手の金具を紋章化したもの。虎屋の場合、菓子箪笥などを表したものとも考えられる。

歌川広重「東都名所 二丁町芝居の図」部分(メトロポリタン美術館蔵)
(「虎屋」の屋号が見えるが弊社とは別の店)