お知らせ

2019.11.5

『夜の梅』は誕生200年を迎えました

小倉羊羹『夜の梅』は、小豆、寒天、砂糖というシンプルな原材料のみでつくられており、小豆を煮る作業から完成までに3日を要します。この手間を惜しまない工程により、とらやの味が生まれます。

とらやの『夜の梅』の歴史は古く、菓銘(菓子の名前)は、今から300年以上も前の元禄7年(1694)の古文書に見ることができますが、羊羹としてつくられた最初の記録は文政2年(1819)です。

令和元年、ちょうど誕生200年を迎えた『夜の梅』ですが、

梅味でもないのに、なぜ「梅」という言葉が使われているのかと思われるでしょうか。

それは、切った断面に見える小豆の粒を夜の闇にほの白く咲く梅の花に見立ててつけられた銘なのです。

『古今和歌集』に、夜に咲く梅を詠んだ、凡河内躬恒(おおしこうちのみつね)の歌があります。

 

春の夜の 闇はあやなし 梅の花 色こそ見えね 香やは隠るる

(春の夜の闇は無意味だ。梅の花の色が見えなくなってしまうが、その素晴らしい香りだけは隠れようもない)

 

このような和歌の世界感を思わせるのは、菓銘の持つ力といえるかもしれません。

見た目の色かたちや、菓銘から想起される情景とともに、『夜の梅』を味わってみてください。

『夜の梅』のオンラインショップページはこちら

 

そのほか、「菓子資料室 虎屋文庫」ページでは、『夜の梅』にまつわるエピソードや、「羊羹」を愛した歴史上の人物のお話なども掲載しています。

歴史上の人物と和菓子「開高健と夜の梅」

歴史上の人物と和菓子「谷崎潤一郎と羊羹」

歴史上の人物と和菓子「夏目漱石と羊羹」

 

また、10月30日に発行された虎屋文庫の書籍「ようかん」には、当店の『夜の梅』についても多く書かれています。そして、現在、赤坂店地下1階ギャラリーでは、<第79回 再開御礼!「虎屋文庫の羊羹・YOKAN展」>を開催しています。合わせてお楽しみくださいませ。

『夜の梅』200周年の今年、小さな一切れに詰まった奥深い魅力をぜひ紐解いてみてください。