和菓子だより

2022.02.24

銀製雛道具 伝 江戸時代後期

菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。

銀製雛道具一揃
*画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。

2020年の春に、虎屋のお雛様や雛道具をいくつか取り上げました。
2022年の雛祭にあわせて、今回は「銀製雛道具」をご紹介します。
虎屋の雛道具の特色は種類の豊富さにあります。主に黒漆塗りに金蒔絵で牡丹唐草を描いた「七澤屋もの」が中心です。揃いのものとしては純銀製も27件あり、いずれも江戸時代後期に上流階級で流行したといわれています。同様のものは陽明文庫(近衛家)、徳川記念財団(徳川将軍家)、鍋島報效会徴古館(佐賀藩鍋島家)、有馬記念館(久留米藩有馬家)等に伝来しています。虎屋のコレクションは定番の三棚や、化粧道具、旅道具、楽器類が揃い、特にサモワール(ロシア風卓上湯沸かし器)が珍しいといわれています。台紙ごと手の平にのる小ささで、表面には線刻により細かな模様が施されています。

サモワール
台紙:横4.6(㎝)
化粧道具
台紙:横5.9(㎝)

なお、根津美術館刊行の図録『虎屋のおひなさま』(2020年)では展示作品全ての画像、作品の特徴や技巧の説明、雛に関する論考も掲載されています。同図録は、とらや店舗(赤坂店東京ミッドタウン店)においても販売しています。