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和菓子だより

2019.07.09

豊原国周「流行豊年唄」明治11年(1878) 

菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。

左が大漁役、右が豊年役。

初代市川左團次(左)と五代尾上菊五郎(右)は、九代市川団十郎とともに「団菊左」と並び称され、明治歌舞伎の黄金時代を築いた人物です。菓子のおこしを山盛りにした盤台(浅く大きなたらい)を頭に載せ、踊る様子が描かれていますが、この所作事のもとになったのは、当時市中で評判を呼んだ、二人組のおこし売りでした。
一人が大漁を、一人が豊年をイメージさせる派手な格好で、歌って踊りながら売り歩くのが特徴で、「豊年」「大漁」などのおめでたい歌詞や、「いつちくたつちく」といった不思議な唄い文句で大流行しました。重そうな盤台を、頭の上でバランスをとりながら踊る様子は曲芸のようで、見る人を楽しませたことでしょう。このスタイルはのちによかよか飴売りなどに引き継がれ、現在も、茨城県常総市(石下飴屋踊り)をはじめとする一部地域で伝統芸能として親しまれています。

盤台にぶら下がっているのは菓子袋。

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