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虎屋文庫資料展
和菓子の魅力を多彩な切り口でご紹介する展示会です。
最大の特色は、必ず手作りの和菓子を展示すること。小さいながらもユニークな展示です。
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展示開催期間:
1999.05.17~1999.06.16

第54回 和菓子原材料展 寒天ものがたり

この展示は終了しました。

海から採れる天草 (てんぐさ) を主原料に、寒冷な気候により作られる寒天は、羊羹や生菓子、みつ豆などの和菓子作りに欠かせません。また、寒天は食物繊維を豊富に含むため、近年、健康食品としても注目されています。知られざる寒天の魅力を、お菓子とともに探りました。

ところてんから寒天へ

江戸時代の中頃、伏見の旅籠屋 (はたごや) 美濃屋太郎左衛門は、残り物のところてんを外に出しておいたところ、後日全く別のものに変わっているのを発見します。夜の寒さで凍結したところてんは、陽射しを受けて自然乾燥していたのです。「寒ざらし (寒さにさらす意) のところてん」が略され、「寒天」の名が誕生。こうした伝承は、今に至るまで語りつがれています。

寒天は海の恵みと寒冷な山の気候、人々の知恵の結晶

長野諏訪地方の厳寒湖の寒天製造風景

寒天は、天草を煮とかした後、枠に流し固め、厳寒の山間地方で凍結と乾燥を繰り返させて作ります。製造期間は約2週間、寒さが厳しくなる12月~2月の3ヵ月の限定生産です。長野県や岐阜県に残る昔ながらの製造方法を模型や道具、写真パネルとともに展示しました。

酢の物、刺身、煮物に使われた江戸時代

寒天といえば、みつ豆や夏菓子などのデザートが思い出されますが、江戸時代には、料理にも寒天が工夫されました。昔の料理書から、寒天を使った意外な料理をご紹介しました。

寒天がおこした和菓子革命-煉羊羹の誕生

羊羹は鎌倉~室町時代に中国に留学した禅僧が伝えた食べ物。初めは小豆、葛、小麦粉、砂糖などを混ぜ、蒸して羊の羹 (あつもの) (汁もの) に似せたと考えられていますが、江戸時代後期に、寒天を使って煉り固める煉羊羹が考案されます。上品な味わいと日保ちの良さが加わって、煉羊羹は大ヒット。以後、煉羊羹は羊羹の主流となります。展示では煉羊羹を始め、寒天が生み出した菓子の数々をご紹介しました。

食物繊維の宝庫 - 寒天の知られざる力と未来

寒天は食物繊維を豊富に含む、日本生まれのヘルシーフード。寒天ならではのダイエット効果や整腸作用、注目されつつある制がん効果の話題をとりあげます。

ほかにも、べっこう (富山)・すいぜん (石川) など、寒天を使った地方の珍しい菓子の紹介や、寒天とゼリーの違いなど。
奥深い寒天の世界をご紹介しました。


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