- 第79回 再開御礼!「虎屋文庫の羊羹・YOKAN」展
- 第79回 再開御礼!「虎屋文庫の羊羹・YOKAN」展
- 第78回 休館前の特別企画「虎屋文庫のお菓子な展示77」
- 第77回 甘い対決「和菓子の東西」展
- 第76回 歴史秘話20「和菓子の贈りもの」展
- 第75回 お宝満載!吉田コレクション「蘇る 江戸~明治の和菓子の世界-」展
- 第74回 「和菓子を作る-職人の世界-」展
- 第73回 夏の特別企画「和菓子の歴史」展
- 第72回 「虎屋・寅年・虎づくし」展
- 第71回 「子どもとお菓子」展
- 第70回 「源氏物語と和菓子」展
- 第69回 「歴史上の人物と和菓子」展
- 第68回 和菓子百珍展その2
- 第67回 「和菓子アート」展
- 第66回 旅先の口福「和菓子で楽しむ道中日記」展
- 第65回 今も昔もスローフード 和菓子 素材がいのち展
- 第64回 福よ来い!占い・厄除け・開運菓子展
- 第63回 源氏物語と和菓子展
- 第62回 虎屋五世紀のあゆみ 和菓子からWAGASHIへ展
- 第61回 お菓子とお酒の大合戦展
- 第60回 甘いもの好き殿様と和菓子展
- 第59回 和菓子の不思議 お米の七変化展
- 第58回 愛らしい雛のお道具とお菓子展
- 第57回 秋の味覚 栗づくし展
- 第56回 江戸おもしろお菓子展
- 第55回 茶席の和菓子展
- 第54回 和菓子原材料展 寒天ものがたり
- 第53回 年中行事と和菓子展
- 第52回 歌舞伎菓子尽し展
- 第51回 和菓子原材料展 日本人と小豆
- 第50回 和菓子の歴史展
- <虎屋所蔵品展>
「富岡鉄斎とその周辺」展
展示開催期間:
1999.05.17~1999.06.16
第54回 和菓子原材料展 寒天ものがたり
この展示は終了しました。
海から採れる天草 (てんぐさ) を主原料に、寒冷な気候により作られる寒天は、羊羹や生菓子、みつ豆などの和菓子作りに欠かせません。また、寒天は食物繊維を豊富に含むため、近年、健康食品としても注目されています。知られざる寒天の魅力を、お菓子とともに探りました。

ところてんから寒天へ
江戸時代の中頃、伏見の旅籠屋 (はたごや) 美濃屋太郎左衛門は、残り物のところてんを外に出しておいたところ、後日全く別のものに変わっているのを発見します。夜の寒さで凍結したところてんは、陽射しを受けて自然乾燥していたのです。「寒ざらし (寒さにさらす意) のところてん」が略され、「寒天」の名が誕生。こうした伝承は、今に至るまで語りつがれています。
寒天は海の恵みと寒冷な山の気候、人々の知恵の結晶

寒天は、天草を煮とかした後、枠に流し固め、厳寒の山間地方で凍結と乾燥を繰り返させて作ります。製造期間は約2週間、寒さが厳しくなる12月~2月の3ヵ月の限定生産です。長野県や岐阜県に残る昔ながらの製造方法を模型や道具、写真パネルとともに展示しました。
酢の物、刺身、煮物に使われた江戸時代
寒天といえば、みつ豆や夏菓子などのデザートが思い出されますが、江戸時代には、料理にも寒天が工夫されました。昔の料理書から、寒天を使った意外な料理をご紹介しました。
寒天がおこした和菓子革命-煉羊羹の誕生
羊羹は鎌倉~室町時代に中国に留学した禅僧が伝えた食べ物。初めは小豆、葛、小麦粉、砂糖などを混ぜ、蒸して羊の羹 (あつもの) (汁もの) に似せたと考えられていますが、江戸時代後期に、寒天を使って煉り固める煉羊羹が考案されます。上品な味わいと日保ちの良さが加わって、煉羊羹は大ヒット。以後、煉羊羹は羊羹の主流となります。展示では煉羊羹を始め、寒天が生み出した菓子の数々をご紹介しました。
食物繊維の宝庫 - 寒天の知られざる力と未来
寒天は食物繊維を豊富に含む、日本生まれのヘルシーフード。寒天ならではのダイエット効果や整腸作用、注目されつつある制がん効果の話題をとりあげます。
ほかにも、べっこう (富山)・すいぜん (石川) など、寒天を使った地方の珍しい菓子の紹介や、寒天とゼリーの違いなど。
奥深い寒天の世界をご紹介しました。