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歴史上の人物と和菓子

今も昔もお菓子好きはいるものです。歴史上の人物にまつわるお菓子のエピソードを連載しています。
※ お菓子の画像はイメージです。お問い合わせは菓子資料室 虎屋文庫までお願いいたします。

2009.01.16

川崎巨泉と饅頭喰人形

川崎巨泉の饅頭喰人形(虎屋文庫蔵)

玩具絵画家

大阪・堺に生まれた川崎巨泉(かわさききょせん・1877~1942)は、幼い頃より絵が上手で、画家・デザイナーとして活躍しました。明治時代終わり頃から郷土玩具に興味を持ち、絵として記録するとともに、専門誌を発行するなどして研究を深めたことで知られます。百十数冊に及ぶスケッチ帳は、巨泉の没後、大阪府立中之島図書館に寄贈されました。現在では「人魚洞文庫データベース」の名称でインターネット上に公開され、画像をすべて閲覧することが出来るようになっています。なお、人魚洞というのは、人魚と人形を洒落た巨泉の別号です。

菓子の絵

巨泉の絵は郷土玩具が主なテーマではありましたが、菓子も少なからず描かれています。巨泉による分類には「凧」「犬」などにまざって「餅(団子、煎餅)」や「あめ」などの名称が見られるので、菓子も民俗資料のひとつと認識していたのかもしれません。
新粉細工(巨泉は団子細工と書いています)や飴細工(棒につけた鳥や、犬と鞠が蛤の貝に入ったもの)、有名なところでは祇園祭の粽なども。今では無くなってしまった、四天王寺や開口(あぐち)神社の庚申堂の「七色菓子」(7種類の菓子)のスケッチも残されるなど、貴重な史料となっています。

饅頭喰人形

兎が餅つきをする仕掛けの人形など、お菓子に関わる郷土玩具の絵もみられます。中でも「饅頭喰」は、よほど好きだったのでしょうか、中之島図書館の所蔵品だけでも20点近くあります。これは「お父さんとお母さんのどちらが好きか」と聞かれた子どもが、持っていた饅頭を割って、「どちらがおいしいか?」と聞き返した(両親とも同じように大切である)、という教訓話を元にした人形です。
京都・伏見が発祥地といわれるだけあって、伏見人形の絵が多いのですが、愛知、大阪、宮崎など地方のものも描かれています。これに想を得たものか、「人魚洞考案 満寿鈴」なる二つ割の饅頭をかたどった土鈴のスケッチが残されているのも、面白いところでしょう。

※この連載を元にした書籍  『和菓子を愛した人たち』(山川出版社・税込1944円)が刊行されました。是非ご一読くださいませ。(2017年6月2日)

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