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歴史上の人物と和菓子

今も昔もお菓子好きはいるものです。歴史上の人物にまつわるお菓子のエピソードを連載しています。
※ お菓子の画像はイメージです。お問い合わせは菓子資料室 虎屋文庫までお願いいたします。

2004.09.17

古田織部と織部饅

大名茶人-織部

古田織部(ふるたおりべ・1544~1615)は、山城国のうち35,000石を治めた大名であるとともに、千利休から茶道を学び、織部流の祖とされる茶人でもありました。晩年には豊臣秀頼に献茶をしたり、2代将軍秀忠に茶の湯を指南するなど、その名声は高いものがありました。実際織部の指導を求める者は、大名から公家衆、僧侶にまで及んだといわれています。 また彼の影響もあり、美濃国(岐阜県)で織部焼という陶器が作られました。

織部焼の意匠に因む織部饅

織部焼の特色は、釉(うわぐすり)、 文様、形態に技巧をこらした斬新な意匠にあります。特に青織部と呼ばれる、緑の釉をほどこしたものは有名です。そのほか異国風、幾何学的文様などデザインも色々あり、モチーフとしては梅が多く見られます。織部焼の特徴が菓子に生かされたものに織部饅頭があります。緑色のぼかし(におい)で釉を見たて、井桁(いげた…井戸の上部の縁を木で井の字形に四角に組んだもの)や梅などの焼印を配したものです。 虎屋の織部饅頭は「織部饅」と呼ばれ、天保8年(1837)の記録に見られます。現在では腰高の薯蕷饅頭に井桁、梅鉢、木賊(とくさ)の焼印を押したもの(写真)で、裏千家の初釜には紅餡入で納められます。織部の活躍した時代の茶菓子はまだ餡餅、熟柿など素朴なものばかりで織部饅自体、彼の考案によるものではありません。しかし、織部の美意識が茶席の菓子としても受け継がれていることは、その偉大さを物語る一例といえましょう。

※この連載を元にした書籍  『和菓子を愛した人たち』(山川出版社・税込1944円)が刊行されました。是非ご一読くださいませ。(2017年6月2日)

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