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歴史上の人物と和菓子

今も昔もお菓子好きはいるものです。歴史上の人物にまつわるお菓子のエピソードを連載しています。

※ お菓子の画像はイメージです。お問い合わせは菓子資料室 虎屋文庫までお願いいたします。

2003.06.16

内田百けんと菓子

漱石の後継

百鬼園の別名で知られる大正・昭和期の小説家・随筆家である内田百けん(1889~1971)は、岡山の造り酒屋の息子として生まれました。夏目漱石を愛読し、上京後漱石に師事、継承者とみなされています。『阿房列車』『百鬼園随筆』などにみえる、ユーモアあふれる独自の文体は、現在でも多くのファンを魅了しているといえましょう。(注 けんは門がまえに月という文字です)
酒屋の息子に生まれたためか、酒を愛し、酒に関する随筆を多く残していますが、昭和19年(1944)戦時中の厳しい時期に、「段段食ベルモノガ無クナッタノデ セメテ記憶ノ中カラ ウマイ物 食ベタイ物ノ名前ダケデモ 探シテ見ヨウ」と、延々と食品名だけを列挙した作品(餓鬼道肴蔬目録)を残しているほどの食いしん坊でもありました。

甘いもの好き

朝食は英字ビスケットとミルクだったといい、甘いものも好んだようです。紅茶に砂糖を入れない理由として「さうやって別別に口に入れたほうがお菓子も沢山たべられるし」と書いているあたり、なかなかではないでしょうか? 先の目録の中にも、かのこ餅、鶴屋の羊羹、シュークリームなど、甘いものの名前が散見されます。「三門(みかど)のよもぎ団子」「大手饅頭」「広栄堂の串刺吉備団子」など、生まれ育った岡山ゆかりの菓子が並ぶのは、やはり子供の頃から馴染んだ味が懐かしかったからと思われます。

※この連載を元にした書籍  『和菓子を愛した人たち』(山川出版社・税込1944円)が刊行されました。是非ご一読くださいませ。(2017年6月2日)

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