歴史上の人物と和菓子

今も昔もお菓子好きはいるものです。歴史上の人物にまつわるお菓子のエピソードを連載しています。
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2001.12.01

吉良義央とカステラ

「歴史上の人物と和菓子展その2」より「こぼれうめ」と「かすていら」

忠臣蔵でおなじみ
あの人もお菓子好き?

元禄15年 (1702) 12月14日。四十七人の赤穂浪士が吉良義央 (上野介:1641~1702) 邸に押し入り、主君浅野長矩の仇を討ちました。この仇討ちは『忠臣蔵』として、人形浄瑠璃、歌舞伎を始め戯曲化され、今日でも映画、ドラマの題材に取り上げられています。

事件の発端は前年、江戸城本丸大廊下で浅野が上野介を斬りつけ、その後切腹したことにあります。これにより上野介は悪役の印象が強いといえますが、実際は三河国幡豆郡吉良地方の統治に優れ、名君として尊敬を集めた人物でありました。

虎屋には、江戸幕府からの使者・上使であった上野介に、伏見宮様より贈られた菓子の記録 (元禄7年:1694) 『諸方御用之留』が残っており、南蛮菓子の「かすていら (カステラ)」、「こぼれ梅」といった干菓子、「けんひ (見肥)」「さとうかや (砂糖榧)」「落雁」など五種類の菓子が箱詰めされたことがわかります。

当時「カステラ」は、どんなものだったのでしょうか。南蛮菓子のひとつで高級品とされ、人気がありました。江戸時代の菓子製法書などから想像してみると、私達が口にしているものよりも、甘みも、ふくらみもずっと少ない菓子だったと思われます。

記録の中に、上野介が登場するのは一度のみですが、意外と菓子好きだったのかもしれません。気難しそうな人物として知られる吉良上野介の微笑ましい一面です。

※この連載を元にした書籍  『和菓子を愛した人たち』(山川出版社・税込1944円)が刊行されました。是非ご一読くださいませ。(2017年6月2日)

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