歴史上の人物と和菓子

今も昔もお菓子好きはいるものです。歴史上の人物にまつわるお菓子のエピソードを連載しています。
※ お菓子の画像はイメージです。お問い合わせは菓子資料室 虎屋文庫までお願いいたします。

2001.01.01

徳川光圀と福寿饅頭

正義の味方はグルメ

時代劇では正義の味方「水戸黄門」として有名な徳川光圀 (1628~1700) ですが、「食通」という意外な一面がありました。イチジクやマルメロなど外来の珍しい果物を栽培させたり、蕎麦やうどんをみずから打ち、ラーメンも食べたという記録があります。

虎屋には光圀の注文した饅頭の御用記録が残っています。貞享5年 (1688) には霊元 (れいげん) 上皇が能を催した折に「大まん」100個を、元禄13年 (1700) 年には公家・中院通茂 (なかのいんみちしげ) 70歳の祝いとして饅頭100個を進上しています。

中院通茂は宮中と将軍家との交渉を担う重要な役職にあり、光圀とも親交があったと思われます。

黄門様みずから饅頭をデザイン?

この時の記録には、饅頭の上に紅で「ふく (福) 寿」と書くようにとの指示のほか、皮は27匁 (101.2g)、餡は43匁 (161.2g) と重さまで記されています。あわせて70匁という重さは通茂の 70歳にちなんでいるのでしょうか。食通・光圀らしく凝った注文をしたのかもしれません。

なお、現在の饅頭は50g位が普通。江戸時代の饅頭は相当大きく、150gほどだったとはいえ、この260gを超える饅頭100個は、当時の人にとってもびっくりするような贈物だったのではないでしょうか。

※この連載を元にした書籍  『和菓子を愛した人たち』(山川出版社・税込1944円)が刊行されました。是非ご一読くださいませ。(2017年6月2日)

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