和菓子だより

2021.09.01

三代歌川豊国「東都名所遊観 葉月 高輪」弘化年間(1844~47)

*画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。

今回は月見団子が描かれた、十五夜(旧暦8月15日)の錦絵をご紹介しましょう。
題名にある高輪は、江戸時代は品川の海に臨み、見晴らしがよかったことから月見の名所として有名でした。
月見団子を供えるようになったのは江戸時代後期のことといわれ、当時の庶民の風俗を記した『守貞謾稿(もりさだまんこう)』には、江戸の月見は、現在と同様、丸い団子を三宝(三方)に盛り、ススキを供えるとあります。
作品右側に注目すると、女性の傍に、三宝の上に積まれた団子が見えますね。左の女性が売りに来たススキを買って、月見に興じるところなのかもしれません。

(拡大)
守貞謾稿(国立国会図書館蔵)より

917日から開催の第80回虎屋文庫資料展 こんなところにも!「和菓子で楽しむ錦絵」展では、こちらの作品のほか、和菓子に関連する錦絵をご覧いただけます。ぜひお立ち寄りくださいませ。

※十五夜、十三夜(旧暦913日)の月見のほか、1月と7月の26日に、月が出るのを待って拝む「二十六夜待」も盛んに行われた。

参考:

錦絵でたのしむ江戸の名所(国立国会図書館HP)
松下幸子『錦絵が語る江戸の食』遊子館、 2009