赤坂店のあゆみ
【赤坂 最終回】とらやの暖簾

「とらや」の暖簾。いつ頃、誰がつくったのかは定かではありませんが、大正14年(1925)の店頭風景の写真には、現在のものとよく似た暖簾が写っています。
暖簾の右端には「千里起風」の印判が押されています。これは「虎は千里往って千里還る」「虎嘯(うそぶ)けば風騒ぐ」という2つのことわざを合わせた造語と考えられます。勇猛果敢に風を切って走る虎に、躍進への願いを托したのではないでしょうか。また、左端には「御菓子調進所」「黒川」とあり、黒川家が店主を務める菓子屋であることを示しています。
昭和39年(1964)から51年にわたりご愛顧いただいた旧赤坂店は平成27年(2015)10月7日をもって、ビル建て替えのために一時休業しました。
それから3年の月日が経ち、赤坂店は和菓子屋として必要な要素に特化した、御用場・売場・菓寮・ギャラリーから成る低層の建物として生まれ変わりました。平成30年10月1日(月曜・寅の日)、再び暖簾を掲げます。「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」という想いのもと、皆さまにとって心地の良い店となるよう努めてまいります。
新しい赤坂店で、皆さまのご来店をお待ち申し上げております。