社長挨拶

9月7日より、やわらか羊羹『ゆるるか』を販売しています。年齢を重ねられても、いつまでも羊羹の味わいを楽しんでいただきたいという願いから、数年かけて配合や製造方法などについて試行錯誤を繰り返し、噛む力、飲み込む力が弱くなった方にもお召し上がりいただきやすい硬さの羊羹を実現することができました。店頭では、「90歳になる、うちのおばあちゃんに買おうと思って来ました」という方や、「老人ホームにいる母に買って行きます」という方、また「もっと早くこんな商品があれば祖母にプレゼントできたのに」と、おばあさまのことを思い出され、私たちにお話しくださるお客様もありました。お母様の在宅介護をされているお客様は、往診にいらっしゃるお医者様やケアマネージャーの方々へのお茶菓子としてご購入くださり、「母が皆と同じものを同じ空間で食べることができるのはとても喜ばしいこと」とおっしゃっていらしたと聞きました。
店頭に立つ社員は、「大切な方のことを想いながら『ゆるるか』を手に取ってくださるお客様にお会いすると、自分たちが温かい気持ちになります」といいます。私たちは一和菓子屋に過ぎませんが、このような経験を通して社員一人ひとりに、自分が携わっている仕事の意義や尊さを理解し、自分は社会とつながっているということを感じてほしい。『ゆるるか』の販売に際し、お客様よりいただいたお声をきっかけに、社員の気持ちがまた少し動いたように感じています。

「おいしい和菓子を喜んで召し上がって頂く」、この経営理念の実現に向け、社員一人ひとりが生き生きとその存在感を示していってほしい。それはいつも虎屋が目指している方向です。

代表取締役社長 黒川 光博