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お菓子をめぐる物語

第4回
季節の生菓子

(左上から時計回り) 粟製『風のやどり』、琥珀製『池の夏』、琥珀製『西瓜』、葛製『水仙波の花』、道明寺製『岩こす浪』、きんとん製『打水』

和菓子は、日本の美しい季節の移ろいをその意匠や菓銘(菓子の名前)によって表しています。 とらやの季節の生菓子は半月ごとに色目が替わるため、細やかな変化を映しているといえるでしょう。
暑い時期に登場するのは金魚や水辺の景色などを表現した生菓子。透明感ある素材からも涼が感じられます。今回は、寒天を使った琥珀製、葛粉を使った葛製に注目してみました。

琥珀製『池の夏』2022年7月8日〜31日

琥珀製とは、煮溶かした寒天に砂糖を入れて煮詰め、水あめを加えたお菓子のことです。クチナシの実で透明な生地を琥珀色に染めることもあったため、“琥珀”と呼ばれるようになりました。なお、「錦玉」という言い方もあります。
琥珀製『池の夏』の小さな金魚は、職人が一つひとつ赤い模様を施し、木型でおつくりしています。お気に入りの一匹を探してみるのはいかがでしょうか。

葛製『水仙波の花』2022年8月1日〜15日

葛製の生地は、葛粉と白双糖を煮溶かし、熱湯を入れ透明に煉りあげておつくりします。葛の根から採る葛粉は、生菓子をはじめ、葛切や蒸羊羹などにも使われる原材料です。とらやでは奈良県の「吉野本葛」を使用しています。
葛製の生菓子の多くには、“水仙”の銘がついています。これは、かつて葛切が黄と白の短冊状につくられ、水仙の花を思わせたことに由来するといわれています。
葛製『水仙波の花』は、透明感ある姿と、波が白く泡立つさまを花に見立てた“波の花”という響きが相まって、涼しげな印象をうけます。

意匠や菓銘、素材で、四季を表現する生菓子。小さな生菓子には、日本人の自然に対する思いや、美意識が宿っているといえます。ぜひ、季節ごとの生菓子をお楽しみください。

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