和菓子だより

2021.08.24

御用提灯・御用札 伝 江戸時代

菓子資料室 虎屋文庫では虎屋歴代の古文書や古器物に加え、菓子に関わるさまざまな資料を所蔵しています。このコーナーでは、その一部をご紹介していきます。

*画像をご使用になりたい方は虎屋文庫までご連絡くださいませ。

江戸時代の宮中では、日用品から儀式の調度品まで、あらゆるものを禁裏御用(きんりごよう)商人から仕入れていました。
後陽成天皇の御在位中(1586~1611)より御用を勤めてきた虎屋には、御用提灯・御用札という資料が残されています。これらはいずれも宮中より付与され、菓子をお納めする際に用いられました。御用札は荷台の先頭部分や、天秤棒で運ぶ荷物などに取り付けたものと考えられます。提灯は暗い時間帯に使用したのでしょう。

参考
御用札とは異なりますが、江戸時代に刊行された名所図会(めいしょずえ・各地の名所などを文章と絵図で紹介した地誌)や錦絵には、荷物の先頭部分に札を挿して運ぶ様子が複数見られます。札には荷物の中身などが書かれたようです。

『江戸名所図会』天保5~7年(1834~1836)刊より 国立国会図書館蔵