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落語家の八代目桂文楽(かつらぶんらく1892〜1971)は、江戸前の粋と緻密で洗練された芸風で愛された昭和の名人です。どらやきで有名な上野の「うさぎや」の裏手に住んでおり、そのあたりの地名をとって「黒門町(くろもんちょう)」の愛称で親しまれました。
食事ひとつにもこだわりがあり、老舗の佃煮や新香で白いご飯を食べ、果物、それから濃いお茶で和菓子。菓子は「うさぎや」の半生菓子、わけても餡を砂糖の衣で包んだ石衣(いしごろも)が好物だったようです。食後に煙草を一服、キセルで深々と吸い、灰吹きへ「コーン!」とはたいて「へい、うまかったよ」と立ち上がる。そんな一連のさまを、弟子の柳家小満んは「師匠の朝の食事は、思えば、芝居の一場面のようであった。」と回想しています。
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