|
大日本麦酒社長の馬越恭平(まごし きょうへい)(1844〜1933)は「ビール王」として名を馳せた人物ですが、近代の代表的な茶人としても知られています。号の「化生」は弘化元年生まれにちなんだものといわれています。お茶との出会いは益田鈍翁(どんのう)の弟、克徳(こくとく)の導きによるもので、彼の師匠である川上宗順の門に入ります。化生翁は陽気な性格で、いつもニコニコ、大きな声で「ヤアヤア」と声をかけ、その風貌は自社看板の恵比寿様にそっくりだったともいわれていました。しかし、ひとたび茶席に入ると、非常に厳格な指導を受けたせいか、別人のように無口になり、緊張のあまり、会話の語尾に「シェッ、シェッ」と謎の音を発する癖があったようです。
|