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益軒は多くの著作を残していますが、そのなかには菓子に関する記述もあります。例えば『日本歳時記』(1688)では、年中行事の菓子として、上巳の草餅や端午の粽に触れています。また、旧暦11月に柚子を買い、柚餅子(ゆべし)を作ることをすすめ、製法も詳しく書いています。柚子の中身をくりぬき、砂糖、味噌、胡麻、胡桃などを混ぜたものを詰めて蒸し、干す作り方で、現在石川県輪島ほかで作られる「丸ゆべし」の製法に近いと思われます。
益軒はこのほか、『大和本草』(1709)の果木の項で、仏手柑(ぶしゅかん)は、生食には向かないが、蜜漬に用いると香りが良い、と書いています。仏手柑とは仏の手のような形の柑橘類です。‘蜜漬’は果物や野菜を蜜で煮て砂糖に漬けた砂糖漬をさすと思われます。
彼の著作以外にも『和漢三才図会』(1712自序)の砂糖漬菓子の項に、蜜柑などとともに仏手柑が記されており、仏手柑の砂糖漬は当時、よく知られていたようです。
画像は、『大和本草』表紙と仏手柑の記載部分
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