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森茉莉(1903〜87)は、『雁』『舞姫』などの作品で有名な文豪、森鴎外の長女として、明治36年に東京・千駄木で生まれました。文壇でのデビューは遅かったとはいえ、昭和32年(1957)、父親への愛をつづった「父の帽子」が日本エッセイスト・クラブ賞、昭和50年、長編「甘い蜜の部屋」が泉鏡花文学賞を受賞しており、ほかにも「贅沢貧乏」「どっきりチャンネル」などのエッセイが知られます。作家としては恵まれた境遇でしたが、私生活では2度の結婚に破れており、晩年はつつましく一人で暮らし、孤独のうちに84歳で亡くなりました。貧しい中にも精神的貴族生活を貫いて書かれたエッセイには耽美的なものも多く、独特の雰囲気を漂わせています。「お菓子の話」もその一つでしょう。
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